すべてのものを 与えし末、死の他なにも 報いられで
万事をあなたの思いのままに整えたとしても、あなたは好むと好まないとにかかわらず常になんらかの忍ぶべきものに出あい、そこにたえず十字架を見いだすであろう。なぜなら、あなたは肉体の痛みを感じるか、霊の苦しみを受けるか、どちらかであるから。
『キリストにならいて』由木康訳 教文館(p102)
由木康さんって、パスカルの研究もされていますが、讃美歌『まぶねの中に』などの作詞者でもあります。多才な方ですね。上の『キリストにならいて』も、キリシタン伝来当時の『イミタチオ・クリスチナ』から始めて、手に入る限りすべての『キリストにならいて』の翻訳書を研究し、かなり極めて、こだわった作品となっています。そして、真の作者についての推理も…
1.馬槽(まぶね)の中に うぶごえあげ、木工(たくみ)の家に 「人」となりて、
貧しき憂い、生くる悩み つぶさになめし この人を見よ。
2.
食するひまも うち忘れて、虐げられし 人を訪ね、
友なきものの 友となりて、こころくだきし この人を見よ。
3.
すべてのものを 与えし末、死の他なにも 報いられで、
十字架のうえに 挙げられつつ、敵を赦しし この人を見よ。
4.
この人を見よ、この人にぞ、 こよなき愛は あらわれたる、
この人を見よ、 この人こそ、人となりたる 活ける神なれ
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